神隠しにはご用心!千と千尋の舞台、台湾九分



アカデミー賞を受賞した宮崎駿監督の映画、千と千尋の神隠し。両親と少女が不思議な世界に迷い込み、豚にされた両親を救う為に頑張る姿を描いた作品です。その映画に出てくるシーンとそっくりな場所が台湾にあります。台北から約一時間のところにある山間の町、九分です。レトロな風情があふれたその山間の町は、山を背景に、海に面した斜面に家々や商店が立ち並び、薄暗い路地や石段が延々と続き、一度入ればちゃんと元の場所に出てこられることやらという場所です。まるで神隠しにでもあいそうな九分に今回、訪れてみました。

台北から約1時間! 電車での旅
九分は台北から鉄道かバスで約1時間の場所にあります。バスの場合、台北市内の忠孝復興停留所から基隆客運の金瓜石行のバスに乗れば、1時間半ほどで九分の入り口九分老街につきますが、私たちは鉄道を使ってみました。九分まではレトロな感じの台鉄(台湾の国鉄)でたっぷり旅情を楽しみたかったからです。所要時間はバスとさほどかわりません。台北駅の窓口で、東部幹線の瑞芳駅まで特急列車自強号の切符を買いました。駅構内のコンビニでゆで卵(台湾ではコンビニでお茶につけたゆで卵が売っています。)とビールを買い込み、いざ特急電車へ。車内は広々としており、のんびりと足を伸ばして旅を楽しむことができます。台北や高雄市内の地下鉄MRTやバスの車内では飲食は禁止されていますが、台鉄の車内ではOKですので、駅弁を広げたり、お酒を楽しんだりする人もちらほら見かけます。これも鉄道で行く醍醐味かもしれません。

最寄り駅の瑞芳からは?
瑞芳駅へは約40分で到着します。切符に到着時間が書いてあるので、車内放送が分からなくても、到着駅かどうかが大体分かるので安心です。ちなみに、瑞芳は十分や平渓に行く平渓線も走っているので、九分の後でそのままそちらの方面に旅行するのもありです。
改札を抜けロータリー前の通りを左に曲がり、しばらく歩くとコンビニ前のバス停から九分に行くバスが出ています。本数は結構多いのですが、もしお腹が空いたり、バスまで時間があったりしたら、駅からまっすぐ歩いて数分のところに、瑞芳の美食街(屋台街)や果物屋さんが軒を連ねているので、立ち寄ってみるのもいいかもしれません。バスに乗って15分くらい山道を進むと、見えてきました、九分です。九分のバス停で下車しました。
着いたのは昼を過ぎたところです。早速神隠しの回廊の中へと入っていきました。

神隠しの回廊、九分の中は?



お土産屋や食べ物屋が処せましと賑わう



九分は坂の町 ひたすらに階段を昇り降りする。




空があまり見えない



油屋?




開けたところに出ると海まで見渡せる。海近くは基隆の街。

神隠しの回廊、九分の狭い道はお土産屋や飲食店で一杯です。元々は千と千尋とはなんの関係もなく、九分は金山として多くの人が住み始めて発展し、その金山が閉山になった後も、台湾では有名な映画、悲情城市という映画の舞台として有名となり、台湾屈指の観光町となりました。その九分がどことなく千と千尋に出てきそうな町と言われるようになったのは、アカデミー賞受賞後の事でした。まるで油屋や両親がぶくぶくと食べに食べたお店そっくりの飲食店もあり、思わずここで食べたら大変なことになる!と思ってしまいます。
しばらく歩くと、景色が開けたところからは美しい海と、基隆の街が見えます。さながら、油屋から見える海?といったところでしょうか。(ならば、映画で出てくる電車は平渓線?)
のんびりとお土産屋さんを覗き、疲れたらお茶屋さんでウーロン茶を頼み、ゆっくりとした時間を過ごし、最高の時間を過ごすことができました。

出来れば一泊したい九分の宿
でも、もしこれから九分に行こうとしている人がいるなら、九分に泊まることをお勧めします。九分にはホテルはなく、民宿形式の小規模な宿が多いのですが、どの宿も言葉は通じなかったとしても、フレンドリーに接してくれます。ただ、出来れば九分での宿は眺めのよいところ、九分の町の最上部のあたりの宿がおすすめです。(ちょっと石段を上がるのが大変ですが、、)なぜならそれは九分から眺める景色は台湾でも有名なのです。何より楽しみなのは夕方から夜にかけてですが、私たちが訪れた際には雲がかかってしまい、見ることはできませんでしたが、晴れた日には海が夕日で照らされる美しいサンセットを見ることができます。そして夜には美しい夜景が九分の眼下に広がります。



民宿の食堂からの夜景



美しい風景を朝食の朝粥とともに

九分で一泊される方はご注意を!
ここで一つだけご注意を! 九分の町は夜八時を過ぎると、どんどんお店は閉まってしまいます。民宿はどこも朝食はついているのですが、夕食はついていません。なるべく夜は早めに食事を済ませて、宿では缶ビールでも飲みながら、たっぷり夜景を楽しんでください。
そしてもう一つアドバイス。コンビニはバス停付近にありますが、観光名所の九分の中心街はそこから大分坂というか山を登ったところにあります。ペットボトルの飲料水などはバスを降りた時に購入しておくと、後で山を降りてわざわざ買いに行くという手間が省けます。もちろん宿にも多少の飲料水の用意はあるのですが、念のためお知らせいたします。

最後に
思わず、映画のセットのような町並みに引き込まれてしまいそうになる町、九分。台北からは日帰りで行くこともできますが、もし日程が許すならば一泊してみるのもお勧めです。観光地なのですが、ここではなぜかのんびりした時間が流れています。とてもリラックスできた旅となりました。