ディズニー塔の上のラプンツェルの舞台へ、平渓天燈節
ディズニー映画の名作、塔の上のラプンツェルをご存じでしょうか。王女の健やかな成長や無事を祈って、ランタンを空に飛ばしていたシーン、まるで夢物語のようですが、実はその風習はアジアの各国にあります。その中でも、有名なのが台湾の平渓で春節の後に行われる天燈節です。このお祭りは毎年、日程と場所は変わりますが、平渓とその近辺の十分で春節後の毎週1日程度行われています。幻想的な光景を見たいがために、2014年の2月にこの祭りに参加してきました。
意外となかなか日程が発表にならない!
この祭りに行くのに、最大の難点は日程が分からないことです。早めに航空券を取ろうにも、祭りの日程が発表されていない為、2月の祭りの為の航空券を取ることができたのは2か月を切った12月の半ばのことでした。もう少し早ければ、格安航空券も取ることができるのですが、なかなか厳しいのが現実です。今回は金曜日夜のLCCの飛行機で飛び、台北で一泊したのち、朝から祭りの会場に向かう計画をたてました。なお、祭りは夜ですが、当日午前中に台湾入りしても、絶対に祭りには参加できません。また、この祭りに参加できる日本からの団体ツアーはありません。朝から会場前で参加の整理券を配っており、先着順で参加することができます。1日にランタン上げは10回行われ、1回につき大体200のランタンを上げています。つまりランタンは2000個、整理券はアッという間になくなるので、祭りに参加するには、とにかく朝が勝負です! なお、様子を見るだけという方はいつでも大丈夫ですが、空高く舞い上がる幻想的なランタンを真下から見るためにはやっぱり祭りに参加したほうがよさそうです。
当日、会場までの行き方は?
主に二つの方法があります。一つは電車で台北から平渓や十分に出ること。そしてもう一つは、祭りの日には台北市内から特別に会場までシャトルバスが出るので、それに乗ることの二通りです。私たちは台北からのシャトルバスに乗りました。乗り場はMRTの文湖線の終点、動物園駅で降りて、台北市立動物園の前を通り過ぎたところにありました。電車でも平渓までいけるのですが、祭りの当日はかなり混むとのことで、座っていけるバスを選びました。シャトルバス乗り場はもうすでに人が次のバスのために並んでいましたが、ボランティアの人も沢山いらっしゃいました。なにより驚いたのが、待っている人に紙コップに温かいウーロン茶を配っていたことでした。その温かいお茶の美味しいことといったら!細やかな気遣いと温かさを感じます。バス料金を払い、いざバスに乗り込むと、ボランティアの人達が一斉に手を振って、見送って下さいました。
会場についたら、とにかくダッシュ!
バスは会場近くのバスターミナルに着きます。そこからは歩いて10分ほどのところに会場がありましたが、意外とアップダウンのある坂道です。運動靴で来てよかったと思います。道沿いは多くのボランティアの方がここでも誘導してくださるので、道に迷うこともなく、安心でした。バスから降りると、みんな小走りになり、いつしか走っていたのは気のせいでしょうか。そんな自分たちは9時頃に現地に着きましたが、もうすでに10回打ち上げるうちの第9回目の後のほうの順番でなんとか整理券を受け取ることができました。もうあとバス2台くらい後ろだったら、アウトでした。整理券は早く行けば行くほど10回あるうちの時間を選ぶことができ、終わりのほうになると、遅い回のものしかなく、夜遅くまで会場にいる事になります。遅くなるほど、帰りのバスや電車も混むので、なるべく早い回がいいのですが、参加できるだけでもヨシ!という状況でした。

整理券と記念品のコイン付き台紙。台紙はランタンの形に。
ランタンは1グループあたり一つ上げるため、整理券は一枚ですが、参加者の人数分、新品の一元コインがランタンの形の台紙の中に入れられ、記念品として配られました。参加無料のお祭りですが、なかなか嬉しい記念品がついてきます。
そして打ち上げ
私たちのランタン上げは第九回目の19:30からでした。まだ朝でしたので、台北市内に一旦戻り、夕方また戻ってくるという手段を取りました。付近を観光するのもありなのですが、この日はとてつもなく混んでいて、正直、観光どころではありません。そして夕方、またバスで会場にまた戻り、いよいよ打ち上げの時を迎えました。
入場口で整理券を確認してもらったのち、参加者は会場内の学校体育館に集められ、説明を受けます。ただ、もちろん話している言葉はわかりません。(笑)ただ、ものすごく盛り上がっています。説明が終わると、誘導のボランティアの方に連れられて1列になり、拍手に迎えられながら、グラウンドに飛び出しました。各グループに一人のボランティアさんがここでも手取り足取り教えてくれます。まず、ランタンに筆やマジックでどんどんと願い事を書いていきます。ランタンは4面あるので、一人1面に書いてもいいですし、みんなで書いてもかまいません。そして、会場のアナウンスとともに、一斉にボランティアさんが火を灯してくれます。

それにしても、台湾のランタンは大きいです。火を灯して、空気が温まると膨らんでくるのですが、その時はじめてそのランタンが腰くらいの高さまであることに気が付きました。
膨らむにつれ、みんなでしっかり押さえていないと、すぐに飛んでいってしまいます。
会場のみんなのランタンに火がともり、膨らみだすと、それはとても幻想的な光景でした。音楽とともに、3、2、1の合図が流れ、みんなで一斉に手を放します。

一斉に空へとランタンが舞い上がります。

視界に入ってくるランタンがどんどん増えます。

ただただ、うぁーという光景でした。言葉にならないくらい幻想的です。

ランタンは空高く舞い上がっていきました。
最後に
言葉にならないくらいの感動でした。なぜか目が潤む人が会場の中で沢山見られました。正直残念だったのは写真をとっていたあまり、じっくりと飛んでいく光景を眺められなかったことです。ランタンが上がっていくスピードはアッという間でした。もし次回参加する機会があれば、カメラを置いて眺めてみたいものです。参加するのはちょっと大変かもしれませんが、是非出かけてみてください。