台湾の屋台で売ってる朝ごはんや朝市など
旅先で迎える朝、なんかいつもと違う天井、空気、そして部屋のにおい。目が覚めるとその全てに戸惑い、ここはどこかと一瞬思ってしまう瞬間、そんなことは今までなかったでしょうか。部屋の中にいるだけでもなんだか違うのに、窓から外を見ればさらに違う。ちょっと外に出てみれば、今まで知らなかった異文化に驚きが沢山あります。でも、今まで多くの国や場所を旅行した中で、一番好きな朝は台湾で迎える朝です。一味もふた味も違う、でもどことなく懐かしい台湾の朝。ちょっと早起きして町に出れば、動き出した朝の町の営みが見えてきます。そんな台湾の朝を少しだけご紹介します。
朝早い時間の公園の風景
出典:http://roadside.sub.jp/taiwan2011_3.html
台湾はとにかく朝が早くて元気なところです。南国で湿った空気の台湾、暑くなる前に多くの人が行動を始めます。ちょっと大きな公園に行ってみると、そこでは朝から多くの人がグループ単位で集まっています。地面にはちょこんとラジカセが置いてあり、中華風の独特な音楽が流されて、多くの人がそれに合わせてゆっくりと体を動かしています。そう、太極拳の集まりです。誰でも参加できる集まりも多いので、一声かけて一緒に参加するもよし、そこまではという方も周囲で観ながら動きを真似て体を動かすのもよしです。また、朝からダンスを行ったり、なぜか集団でひたすら笑っていたりという不思議な集まりもあります。そんな風景を見ながら散歩してみてください。
表通りをプラプラと歩くと
出典:http://dickhym.blog9.fc2.com/blog-entry-5701.html
そして通勤時間帯に入ると驚くのが、通勤の風景。バス亭や近くの駅に向かう人で歩道も混んでいますが、それよりなにより驚くのがスクーターの数の多さです。狭い都市部(といっても、東京よりも遥かに広い道)ではスクーターでの通勤がメジャーです。 以前に比べて随分その数も減りましたが、それでも都市部は走っている車の量よりも多いはず。どちらかというと車のほうが肩身の狭い思いをして走っているのではないでしょうか。交差点の横断歩道の前にはバイクの専用待機場所があり、信号が変わるのを多くのスクーターが待っています。その数たるや、日本の暴走族もびっくりの数。車の間をすり抜けて専用待機場所に集まり、信号が変われば一斉に何十台というバイクが発信する光景は台湾ならでは。その元気さにまず驚いてしまいます。
ちょっと道を逸れてみれば、
出典:http://taiwaning.zening.info/chiayi/Dscn6039_m.htm
野良犬が道端で日向ぼっこしていたり、お年寄りの方が座ってお茶を楽しんでいたり、店の中に商品を搬入していたりと、台湾の日常の風景が見えてきます。表通りとは対照的に、どことなくのんびりした空気が漂っているのが特徴です。ただ、表道も裏道も、日本とは一つだけ違うこと。それはあまり疲れた悲壮感や、ピリっとした張りつめた感じがないことです。台湾はどこを見ても人が元気な感じがします。
朝食のにおいに誘われて

道を歩いていると、どこからともなく、お店や屋台からの食べ物のにおいが漂ってくるはずです。すでにもう台湾の伝統的な朝食のお店は開いています。台湾は安くて美味しい食文化の整ったところです。都市部では朝食を家で食べない人が日本に比べても非常に多く、そんな人達のために朝早くから下拵えを済ませた店が開いているのです。手軽に簡単に食べられる豆乳に揚げパン、飯団とよばれる台湾のおにぎりをその場で握って売るお店から、中にはしっかりとモツ煮込みを作って待っている店まで様々です。ちなみに美味しい朝食屋さんを見つける方法は簡単!まず町の中をプラプラと歩いていると、必ずどこかでヘルメット姿のままの人が多くビニール袋を抱えて出たり入ったりしている店があります。朝仕事に行く前に店に寄って朝食を買い求めている常連客です。そんな人が多く出入りしているお店には必ずいい朝食があります。
そしてもう一つの見分けかた。沢山の湯気が白く上がっているお店もいいお店であることが多いです。台湾の朝は蒸したり、煮込んだりしたメニューを朝食に食べることが多いのですが、そのような朝食を作るお店は蒸籠が高く積まれ、大鍋にいっぱいの料理が煮込まれています。湯気があがれば上がるほど、料理している量も多いので、多くの人が訪れている証拠になります。
そんなお店はきっと通りに面したところにまず調理場があって、作っているところがよく見えると思います。自分で漢字のメニューを見て選ぶのもいいのですが、まずは周りの人が食べているものをよく見てください。または、目の前で茹でているものを指さして頼んでしまうのもありです。そして最後に指を外に向かってさせばテイクアウトで用意してくれると思います。中なら店内を指さしましょう。調理場の横を抜けて、好きな席につけば、そこに料理を持ってきてくれます。もし値段が分からない時には、一人につき100元札(100元/日本円で約400円 2015年4月現在)を渡せば、きっとお釣りをもってきてくれます。この手の店の朝のメニューで100元を超えるメニューはなかなかありません。
最後の締めは朝市で!

そんなこんな散歩していると、結構いい時間になります。そしてその頃になると、ラッキーなら台湾名物の朝市を見かけることもしばしばです。朝採りの新鮮な野菜、フルーツ、そして魚や肉を売る店、伝統的な惣菜や練物、お菓子、なぜか服や衣料品まで並んでいたりします。そんな中でもお勧めなのが、フルーツのシーズン中なら果実からそのままジュースを絞ってくれるお店もあります。天然の甘いオレンジや金柑のジュースは素朴で優しい味がします。(但し、朝食の皿の値段よりも若干高いかもしれませんが。)ジュースを飲みつつ、色々なお店を眺めていると、台湾の元気さを肌で感じることができるかもしれません。
もし、朝早起きできるのであれば、是非台湾の朝を散歩してみてください。きっと感じるものがあるはず。私の台湾でのパワースポットは朝の町です。いい朝を是非楽しんでください。